第三次審査結果

 6月末より開始した「Ninety. & ソンタナ オリジナルボードゲームコンテスト」も、これが最後の審査結果です。
 今回が「Ninety. & ソンタナ オリジナルボードゲームコンテスト」の優勝作品の発表となります。


 まず、本コンテストにゲームをご応募いただいた皆さんに、最初にこの場を借りて、改めて御礼を申し上げます。
 残念ながら落選となったゲームも含め、大変な力作ぞろいでNinety.様、ソンタナ様のお話を聞きますと、各次審査がとても難航し、頭を悩ませることとなりましたが、その分コンテストとしては大変に盛り上がりました。
 これも、素晴らしいゲームをご応募いただいた皆様のおかげです。
 本当にありがとうございました。


 今回の最終審査で優勝したゲームについては、完成品を作成した上で各店舗にて遊べるよう、それぞれのお店に常備されます。
 実際にお店にそれぞれのゲームがお店に置かれましたら、本ブログにてお知らせいたします。(デザイナーの方の都合にもよりますが、11月中にはお知らせしたいと思っています)


 それでは、Ninety.、ソンタナの順でそれぞれの店舗での優勝作品、および本コンテストの総評を発表させていただきます。

優勝作品発表!

 最終審査である、第3次審査には2次審査で合格した全てのゲームが応募されました。
 Ninety.側の応募作品は「ゲハ三国大戦(旧名:ゲームハード三国大戦)」「ヒットメーカー!(旧名:HitMaker!)」「連駒」の3作品、ソンタナ側の応募作品は「エレファントパーク」「SANGA」「9Tours」のこちらも3作品です。


 それでは、まずNinety.側の優勝作品発表です。
 最終審査では、Ninety.の審査委員長である保坂様のたっての希望により、応募された3つのゲームの内の2つの作品がグランプリとして選ばれました。

 その2つ優勝ゲームとその応募者は、

  • ヒットメーカー! (サークル薫風 佐藤 様)
  • 連駒 (ガーデンゲームズ 樫尾 様)

 と、なりました。
 佐藤様、樫尾様、おめでとうございます。


 次にソンタナ側の優勝作品の発表です。
 こちらは応募された3つのゲームの内の1つの作品がグランプリとして選ばれました。
 その優勝ゲームとその応募者は、

  • 9Tours (OKAZU brand 様)

 です。
 OKAZU brand 様、おめでとうございます。


 最終審査の審査結果は以上です。
 それでは、Ninety.様、ソンタナ様から各ゲームのテストプレイを行なった感想、および最終審査の総評をいただいていますので、公表させていただきます。

優勝ゲームテストプレイ感想

  • Ninety.優勝ゲーム『ヒットメーカー!』


 1ターンには3つのフェーズが含まれているのですが、テンポよく進められたと思います。
 順番に手札から連想する、という場面では毎回びっくりするような発想のプレイヤーがいてそれを聞いているだけでも面白かったです。
 コンセプトカード、パーツカードの内容も個性的。
 最終的に得点を得られるかどうか、という場面で新しい要素(ダブルアップチャンス)が増えたことで、一体感を持って盛り上がれそうです。

  • Ninety.優勝ゲーム『連駒』


 お預かりしたコンポーネントはテストプレイ版のものでしたが、まずボードの美しさと世界観に目を惹かれました。
 ターンごとの流れもわかりやすく、インストもスムーズにできました。
 1ゲームにかかる時間が数分〜長くて10分くらいとコンパクトなのもよりたくさんのお客さまにプレイしていただきやすいと思います。
 ベースは四目並べなのですが、将棋の要素も含まれていたり初心者のかたから上級者のみなさんまで広く楽しんでもらえるゲームだと思います。

  • ソンタナ優勝ゲーム『9Tours』


 テストプレイヤーの1人が、インスト終了時にぼそっとつぶやきました。「もうこれ、ルール聴いた瞬間に完全に面白い。プレイの様子が目に浮かぶ」と。
 完全に同意です。かと言って決してただ簡単なだけ、底が浅いということではなく、繰り返しプレイさせたくなる仕掛け・熟練してプレイがうまくなっていく過程があります。
ここまでに審査させていただいてきたすべての応募作の中で、最も提示したテーマに沿っていて、且つそれが後付けでなく、ルールの根幹を成すレベルにまで昇華されています。
タイ料理レストランでプレイされるということを最大限に考慮された、
洗練されたゲームシステムデザインも素晴らしい。
プレイしていると、訪れて面白かった観光地や好きな料理への、「おれはぜったいトムヤムクンを獲得するんだ!」のような思い入れが容易に発生し、またそれが間違いなくゲームに様々な好影響を与えます。
タイに行ったことがない人でも、美しいビーチや寺院の写真を目の当たりにしたら、流麗なプレイ感と相まってお気に入りスポットが発生してくれそうです。
数あるレストランの中からわざわざタイ料理レストランを選んでくださるような、完全にタイ好きになりかかっている(そしてゲーム好きの)お客様に、ライトにタイの観光案内をする入口となるのに最適のゲームだと考え、優勝とさせていただきました。

コンテスト総評

  • 「Ninety.」審査総評

 まずは。
 今回のNinety.ソンタナオリジナルボードゲームコンテストにご応募いただきました、デザイナーのみなさん。 そして、4カ月にわたって行われた今回のゲームコンテストの行方を見守り、応援していただいたみなさん。
 ほんとうにありがとうございました。

 今回グランプリに選ばせていただいた作品はもちろん惜しくも選考に漏れてしまった作品も・・・デザイナーのみなさんがNinety.というお店だったり遊びに来てくださるお客さまだったりそこで親しまれるゲームだったり、のことを考えて作ってくださった宝物として大切にしたいと思っています。
 デザイナーさんの意向で商品化や、販売することになった際もお店としてできる限りの協力をさせていただきます。


 テストプレイ審査に協力いただきましたお客さまにも、この場を借りてお礼申し上げます。
 突発で声をかけさせてもらったにもかかわらず快くお付き合いいただき、アドバイス、や、ときにはダメだしもwプレイヤー視点での貴重な意見が聞けて、とても参考になりました。

 尚、今回、2つのゲームをグランプリとさせていただくことについて今回のオリジナルゲームコンテストはソンタナさんとNinety.でそれぞれ1本ずつグランプリ作品を決める、というのが当初の予定でした。
しかし全体的に応募作のレベルが高く中でも「連駒」「ヒットメーカー!」はともにNinety.の店内でお客さまに遊んでいただくのにふさわしい作品だと確信しましたので今回は2つのゲームをグランプリとさせていただきます。


 開店から1年、アナログゲームファンのお客さまにまだまだ教えていただくことも多いようなNinety.にこのような機会を与えていただいたことを、嬉しく思います。
 今回グランプリに選ばせていただいた作品を実際に店内でみなさんに遊んでいただけるのが楽しみです。

 ありがとうございました!

 game cafe&bar Ninety. 保坂いずみ

  • 「ソンタナ」審査総評

 まず始めに、今回のコンテストに応募いただいたすべての皆様に、心の底から感謝いたします。皆様のおかげで、本当に素晴らしいゲームたちが今まさにこれから世に現れる、その瞬間に微力ながら携わることが出来ました。
 これは純粋に、企画の審査担当という立場をまったく抜きにして純粋に、一ゲームファンとしての無上の喜びです。


 当たり前のことですが、今回のこのコンテストには、何の権威も影響力もありません。権利関係も一切発生しません。すべてのゲームは100%応募者のものです。真に面白いゲームであればコンテストに関係なく、いつか必ず世に現れたでしょう。
 しかし、応募作全12作を俯瞰した時に感じる、この充実感。タイ料理屋兼ゲームショップという無茶な店が無茶振りしたテーマでしたが、応募者であるゲームデザイナー達が着想を得るきっかけ・触媒として、ほんのわずかでも役に立ったのではないか、と、本当に満足しています。


 この選評を書かせていただいている時点で、タイ国土は未曾有の大洪水に襲われ、完全に収束・復旧するまでには途方もない長い年月がかかると言われています。
 遠く離れた日本の、小さなタイ料理レストランにできることは、ほとんどないに等しいかもしれません。
 でも、今回応募いただいたゲーム達には喜びを、元気をもらいました。まだ具体的なことは何もありませんが、この出会いを力に変えて、少しでもなにかできることを考え、実行していきます。
  

 タイ屋ソンタナ こいち